不動産の相続は、多くの方にとって一生のうちに何度か経験する出来事です。しかし、相続税は複雑で分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。特に、不動産は評価額が大きいため、相続税の負担も大きくなりがちです。
そこで今回は、「不動産のみらい」が葛飾区・足立区を中心に、城東エリアの方に、不動産相続の税金について、基本的な知識から計算方法、節税対策まで詳しく解説します。
不動産を相続された方や、相続した不動産の売却をお考えの方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
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不動産相続の基本知識
1. 相続とは
相続とは、人が亡くなったときに、その人が持っていた財産(不動産、預貯金、株式など)を、法律で定められた人(相続人)が引き継ぐことです。
不動産相続とは、亡くなった人が所有していた不動産を相続人が引き継ぐことを指します。
2. 相続人
相続人になれる人は、民法によって定められています。
配偶者は常に相続人となります。
血族相続人には、以下の順位があります。
第1順位:子(子がいない場合は孫)
第2順位:父母(父母がいない場合は祖父母)
第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹がいない場合は甥姪)
遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従って相続人が決まります。
3. 相続財産
相続財産とは、亡くなった人が所有していたすべての財産のことを指します。
不動産(土地、建物)
預貯金
株式や有価証券
自動車
貴金属や美術品
借金やローンなどの負債
4. 相続方法
相続方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
単純承認:すべての財産と負債をそのまま引き継ぐ
限定承認:相続で得た財産の範囲内で負債を引き継ぐ
相続放棄:すべての財産と負債を放棄する
5. 遺産分割
遺産分割とは、相続人全員で遺産をどのように分割するかを話し合い、決定することです。
遺産分割協議:相続人全員で話し合い、合意する
遺産分割調停・審判:家庭裁判所に申し立て、調停や審判によって分割方法を決める
6. 相続登記
相続登記とは、不動産の所有者を亡くなった人から相続人に変更する手続きです。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続の開始を知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。
7. 相続税
相続税とは、相続によって財産を取得した人にかかる税金です。
不動産も相続税の課税対象となります。
相続税の計算は複雑なため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
不動産相続の注意点
不動産は分割が難しい場合があるため、相続人間でトラブルになりやすい。
相続税の負担が大きくなる可能性があるため、事前に節税対策を検討しておくことが重要です。
相続登記は期限内に必ず行う必要があります。
不動産相続税の計算方法
不動産相続税の計算方法は、以下の通りです。
課税価格の計算:
相続財産の総額から、借入金や葬式費用などの債務を差し引きます。
相続時精算課税制度を利用している場合は、贈与財産の価額を加算します。
課税遺産総額の計算:
課税価格から基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引きます。
相続税総額の計算:
課税遺産総額を法定相続分で按分し、各相続人の取得金額を算出します。
各相続人の取得金額に税率を乗じ、控除額を差し引いて、各相続人の相続税額を算出します。
各相続人の相続税額を合計し、相続税総額を算出します。
各相続人の納付税額の計算:
相続税総額を、各相続人が実際に取得した財産の割合で按分し、各相続人の納付税額を算出します。
不動産の評価額は、相続税路線価や固定資産税評価額などを基に算出されます。評価方法には、路線価方式と倍率方式の2種類があります。
路線価方式:
主に市街地の宅地の評価に用いられます。
路線価図に記載された路線価を基に、土地の形状や利用状況などに応じて評価額を算出します。
倍率方式:
主に郊外の宅地や農地の評価に用いられます。
固定資産税評価額に、地域ごとに定められた倍率を乗じて評価額を算出します。
不動産相続の手続きの流れ
不動産相続の手続きは、以下の流れで進みます。
相続の開始:
被相続人の死亡により、相続が開始します。
相続人の確定:
被相続人の戸籍謄本などを取得し、相続人を確定します。
相続財産の調査:
不動産や預貯金など、被相続人の財産を調査します。
遺産分割協議:
相続人全員で遺産分割について協議し、遺産分割協議書を作成します。
相続税の申告・納付:
相続開始から10ヶ月以内に、相続税の申告・納付を行います。
不動産の名義変更:
法務局で不動産の名義変更を行います。
不動産相続税の節税対策
不動産相続税の節税対策としては、以下の方法が挙げられます。
生前贈与:
生前に財産を贈与することで、相続財産を減らすことができます。
小規模宅地等の特例:
一定の要件を満たす場合、自宅などの評価額を最大80%減額できます。
配偶者控除:
配偶者が相続する場合、一定額まで相続税が控除されます。
生命保険の活用:
生命保険金は、一定額まで相続税が非課税となります。
不動産の有効活用:
賃貸住宅などを建てて不動産を有効活用することで、相続税評価額を下げることができます。
相続した不動産を売却する時は?
1. 売却のタイミング
相続税の納税資金:
相続税は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納税する必要があります。納税資金が不足する場合は、不動産を売却して現金化する必要があります。
遺産分割:
相続人が複数いる場合、不動産の分割は難しいことがあります。売却して現金化することで、公平な分割が可能になります。
不動産の維持管理:
不動産を所有していると、固定資産税や維持費がかかります。活用予定がない場合は、早めに売却することで負担を軽減できます。
市場の動向:
不動産市場は常に変動しています。売却を検討する際は、市場の動向を把握し、適切なタイミングを見計らうことが重要です。
税金の特例:
相続税の取得費加算の特例:相続税を支払った場合、売却益の計算において、支払った相続税額を取得費に加算できる特例があります。この特例は、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合に適用されます。
空き家の3,000万円特別控除:被相続人が居住していた空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
2. 売却の手順
不動産会社の選定:
複数の不動産会社に査定を依頼し、信頼できる会社を選びましょう。
売却価格の決定:
不動産会社の査定価格や市場の動向を参考に、売却価格を決定します。
売却活動:
不動産会社に売却活動を依頼し、購入希望者を探します。
売買契約の締結:
購入希望者が見つかったら、売買契約を締結します。
物件の引き渡し:
売買代金の決済後、購入希望者に物件を引き渡します。
3. 売却にかかる税金
譲渡所得税:
不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。
登録免許税:
不動産の名義変更登記にかかる税金です。
印紙税:
売買契約書に貼付する印紙税です。
4. 注意点
相続登記:
相続した不動産を売却するには、事前に相続登記を済ませておく必要があります。
遺産分割協議:
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を済ませておく必要があります。
税金の専門家への相談:
不動産売却にかかる税金は複雑なため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
不動産相続税は、複雑で分かりにくい税金ですが、基本的な知識を身につけ、適切な対策を行うことで、税負担を軽減することができます。
また、相続した不動産の売却は、慎重な検討と準備が必要です。専門家の助言も参考にしながら、最適な売却方法を選択しましょう。