2024-01-09
不動産における「共有」とは、土地やマンション、戸建てなどにおいて、ひとつの物を複数の人が共同で所有することで、共有名義の不動産と呼ばれています。
共有者1人ひとりには「共有持分」という割合的な権利が認められ、共有持分の名義人を「共有持分権者」と言います。
不動産は現金とは違い、物理的に分けることができないので、相続したときになんとなく共有する方々が多く、たとえば実家を兄弟姉妹で共有名義にするケースがあり、相続以外の場合はマイホーム購入時に夫婦で共同名義にしたり、二世帯住宅を親子で共有名義にする例が多いでしょう。
共有名義の不動産は、共有者単独の判断では不動産を売却できません。
共有者の間で不満がない状態であれば問題ありませんが、一方が「売りたい」となった際にはトラブルが生じます。なぜなら共有名義の不動産の売却は共有者全員の合意が必要となるからです。共有者1人の判断で不動産の処分はできません。
共有者の権利と同意
不動産を共有している場合、各共有者は自由に不動産の管理や処分行為ができません。共有者ができる行為とその要件は以下の通りです。
共有持ち分のみ自由に売却が可能
一方、共有者は「自分の共有持分」だけであれば独断で売却できます。共有者は不動産全体に対しては不完全な権利しかありませんが、自分の共有持分に対しては完全な権利が認められるからです。持分売却の際、他の共有者による同意は不要ですし、通知する必要がありません。
たとえば親から引き継いだ土地を弟と2分の1ずつの割合で共有している場合、弟は2分の1の共有持分を兄に断らずに第三者へと売却できます。
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【共有名義不動産の売却方法】
共有名義の不動産を売却する方法としては、共有者全員の同意を得て売却する方法と自分の持分のみを売却する方法が考えられます。
それぞれについて解説していきます。
全員が売主となり、不動産全体を売却することができます。
しかし共有者の人数が多い場合は、手続きにかなりの手間がかかり難しくなる可能性があるでしょう。
共有名義の家に住んで共有者が売却に反対しているのであれば、「リースバック」を利用することも選択肢となります。
リースバックは、不動産会社に一度家を売却した後に賃貸契約を結び、家賃を払って元の家に住み続ける方法です。
他の共有者の同意が得られない場合など、自分の持分のみを売ることも可能です。ほかの共有者で買い取ってくれる人がいないかを最初に確認するといいでしょう。
土地のみの不動産であれば、土地を「分筆」して単独名義にしてから、自由に売却するという方法もあります。分筆は、登記簿で一つとされている土地を複数に分ける方法です。ただし、共有名義不動産を分筆する場合には、誰がどの範囲を所有するかの話し合いや専門家の測量が必要になるなど、時間と費用がかかります。
一般の人は、共有持分だけを買い取っても使いみちがないので、共有持分を購入することはほとんどありませんが、共有持分の買い取りを専門とする不動産会社に売却することは可能です。こうした専門会社を「共有持分買取業者」といいます。共有持分買取業者を利用すると、早期に確実に売却できるというメリットがある一方、単独名義の不動産と比較して、売却価格が大幅に安くなりがちです。共有持分買取会社に売却した場合のその他のリスクは、後段で詳しく解説します。
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【 共有名義不動産の売却の必要書類】
共有名義不動産全体を共有者全員の同意を得て売却する場合の必要書類について説明します。通常の不動産売却で必要な書類と基本的には変わりませんが、以下の書類が必要になります。
登記識別情報は、その登記人が不動産の所有者であることを証明するものです。地積測量図等も売却時に必要ですが、先祖代々の土地などでこれらの書類がない場合には、土地家屋調査士に測量を依頼するところから始めなければなりません。身分証明書等の書類は、共有持分権者全員分が必要になります。
なお、共有名義不動産を売却するにあたっては、まずは共有者が誰なのかを明らかにしましょう。相続が繰り返されているうちに、共有者が増えている可能性もあるので注意が必要です。
【まとめ】
共有名義の不動産を売却する時は、名義人全員の同意がないと売却できませんが、自分の持ち分のみなら自由に売却することができます。
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