成年後見人がいれば不動産は売却できる?認知症の親の家・実家を売る方法を徹底解説【2026年版】


成年後見人がいれば不動産は売却できる?認知症の親の家・実家を売る方法を徹底解説【2026年版】


成年後見人による認知症の親の不動産売却、実家売却、家庭裁判所の許可、老人ホーム入居後の対応を解説する不動産のみらいのタイトル画像



「認知症になった親の家を売りたい」

「老人ホームの費用をつくるため、実家を売却したい」

「成年後見人を付ければ不動産は売れる?」

「施設に入って空き家になった家なら自由に売却できる?」

高齢の親御様が所有する不動産について、このような悩みを抱えるご家族は少なくありません。


結論からいうと、本人の判断能力が十分ではなく、自分で不動産売買契約を行うことが難しい場合でも、

成年後見制度を利用することで売却できる可能性があります。


ただし、

「成年後見人が選任された=自由に家を売れる」

という意味ではありません。

特に本人の居住用不動産を成年後見人等が処分する場合には、家庭裁判所の許可が必要になるケースがあります。


認知症、成年後見、老人ホーム入居、不動産売却は別々の問題ではありません。



大切なのは、

本人の状態 → 成年後見の必要性 → 不動産の状況 → 売却の必要性 → 売却価格 → 売却後の生活

まで一つの流れとして考えることです。



不動産のみらいでは、売買経験1,000件以上、相続相談約70%の実務経験をもとに、足立区・葛飾区を中心として、相続・実家・空き家・高齢者の住まいに関係する不動産売却のご相談をお受けしています。


成年後見制度とは?


成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力が不十分な方について、

財産管理や契約などを法律的に支援・保護する制度です。


成年後見制度には、大きく分けて、



種類概要
法定後見     判断能力が低下した後に家庭裁判所へ申し立てる
任意後見     判断能力が十分なうちに将来の後見人を決めておく


という違いがあります。


さらに法定後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」があります。

重要なのは、成年後見制度は不動産を売るためだけの制度ではないという点です。

本人の財産や生活を守ることが制度の目的です。


認知症になったら家は売れない?


ここは非常に誤解が多い部分です。

認知症という診断名だけで、一律に不動産売却ができなくなるわけではありません。


不動産売買では、本人が契約内容や売却の意味などを理解して意思決定できるかが重要になります。

そのため、

「認知症と診断された」
=
「必ず成年後見人が必要」

とは限りません。


一方、本人が売却内容を理解できず、有効な意思表示が難しい状態なら、家族が勝手に本人名義の不動産を売却することはできません。

「長男だから」「子どもだから」「介護をしているから」では、親名義の家を自由に売却する権限にはなりません。


成年後見人が選任されれば不動産を売却できる?


本人に代わり成年後見人が必要な法律行為を行うことで、不動産売却を進められる可能性があります。

ただし、不動産の種類によって重要な違いがあります。


非居住用不動産

投資用不動産や一定の土地などについては、成年後見人の権限で売却できるケースがあります。

ただし、本人の利益のために売却する必要性があることが前提です。


居住用不動産

本人が生活の本拠としている、または生活の本拠としていた住宅などについては特に慎重です。

成年後見人等が本人の居住用不動産を処分する場合、家庭裁判所の許可が必要になることがあります。

ここが成年後見と不動産売却で非常に重要なポイントです。


老人ホームへ入った後の実家なら自由に売れる?


「もう老人ホームに入ったから、自宅ではないのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、そう単純ではありません。


施設へ入居して現在空き家になっている場合や、住民票を施設へ移している場合でも、

以前本人が生活していた住宅について家庭裁判所の許可が必要になる場合があります。


そのため、

施設入居 → 空き家になった → すぐ売却

と判断するのは注意が必要です。


まず本人の状態と成年後見制度の利用状況を確認します。


成年後見を利用した不動産売却の基本的な流れ


一般的には次のような流れを検討します。


STEP1 本人の判断能力を確認

まず、不動産所有者本人が売却について理解・判断できる状態なのかを確認します。


STEP2 成年後見制度の必要性を検討

本人だけで法律行為を行うことが難しい場合には、成年後見制度の利用を検討します。


STEP3 家庭裁判所へ申立て

必要書類を準備して家庭裁判所へ申立てを行います。


STEP4 成年後見人の選任

家庭裁判所が成年後見人を選任します。

家族が希望しても、必ずその家族が成年後見人に選ばれるとは限りません。


STEP5 不動産査定

不動産会社へ査定を依頼します。

成年後見が関係する売却では特に、根拠のある価格査定が重要です。


STEP6 売却条件を整理

売却理由、価格、本人の生活費・施設費、今後自宅へ戻る可能性などを整理します。


STEP7 必要に応じ家庭裁判所へ許可申立て

居住用不動産の処分に該当する場合などは、家庭裁判所へ許可を求めます。


STEP8 売買契約・引渡し

必要な手続きを経て売却を進めます。


家庭裁判所は何を確認する?


成年後見制度を利用した不動産売却では、単に

「家族が売りたいから」

という理由だけで考えるものではありません。


重要なのは本人にとって必要・合理的な売却なのかです。

例えば、

・老人ホーム費用を確保する必要がある
・介護費用を確保する必要がある
・自宅へ戻る可能性が低い
・空き家の維持管理費が負担になっている
・固定資産税等の負担が続いている
・売却価格が著しく低くない

などが重要になります。


だからこそ、成年後見が関係する不動産売却では査定価格の根拠も非常に重要になります。


成年後見人は家族がなれる?


候補者として親族を挙げることはできますが、

希望した家族が必ず成年後見人に選任されるわけではありません。

家庭裁判所が本人の状況、財産、親族関係などを踏まえて判断します。


ケースによっては、

・司法書士
・弁護士
・社会福祉士

などの専門職が選任されることもあります。

「自分が後見人になるつもりだったから大丈夫」と決めつけず、制度利用前に確認しておくことが大切です。


成年後見制度のメリット・注意点


項目内容
メリット     判断能力が低下した本人の財産を保護できる
不動産売却     条件を満たせば後見人による手続きが可能
財産管理     預貯金・不動産等を本人のために管理
注意点     不動産売却だけを目的とした制度ではない
後見人     家族が必ず選ばれるわけではない
居住用不動産     家庭裁判所の許可が必要になる場合がある
終了     不動産売却が終わっただけで当然終了する制度ではない


特に最後は重要です。

「家を売りたいから成年後見を申し立て、売れたらすぐ終了する」

という制度ではありません。


この点を理解せずに利用すると、

「思っていた制度と違った」

となる可能性があります。


家族信託との違いは?


成年後見と比較されることが多いのが家族信託です。

大きな違いは準備するタイミングです。


成年後見家族信託
判断能力低下後でも検討可能  原則として判断能力が十分な段階で準備
本人保護が中心  財産管理方法を事前設計
家庭裁判所が関与する法定後見がある  契約内容を設計する
後見人が財産管理等を行う  受託者が契約に従い財産管理


「将来認知症になったら家を売却して施設費にしたい」

という希望があるなら、元気なうちから家族信託や任意後見などを含めて検討する意味があります。


ただし、制度にはそれぞれ適否があるため、専門家への確認が重要です。


実際に多い相談|老人ホーム費用のために家を売りたい


不動産のみらいで高齢者の不動産について相談を受ける際、重要になるのが、

「不動産売却だけでは問題が終わらない」

という点です。


例えば、

親が認知症になる
↓
一人暮らしが難しくなる
↓
老人ホームを検討する
↓
自宅が空き家になる
↓
施設費用が必要になる
↓
実家を売却したい

という流れです。


一般的な不動産売却なら「いくらで売れるか」が中心になります。

しかしこのケースでは、

親御様がどこで、どのように生活していくか

まで考えなければなりません。


売買経験1,000件以上の現場から見る失敗しやすいケース


失敗① 認知症が進んでから売却しようとする

「まだ大丈夫だろう」と先送りしているうちに意思確認が難しくなり、売却手続きが複雑になるケースがあります。


失敗② 子どもなら売れると思っている

親名義の不動産は、家族だからという理由だけでは売却できません。


失敗③ 施設入居後なら自由に売れると思う

空き家になったことと、成年後見制度上の居住用不動産に該当するかは別問題です。


失敗④ 査定価格だけで不動産会社を選ぶ

成年後見が関係する不動産では、売却価格の合理性が重要になります。

「高い査定額を出した会社」より、

なぜその価格なのか説明できる会社

を選ぶことが重要です。


失敗⑤ 不動産会社・司法書士等を別々に探す

成年後見、相続、登記、不動産売却が絡むケースでは、関係者間の情報共有が重要です。


成年後見が関係する不動産売却チェックリスト


次の項目を確認してください。

□ 不動産の名義人は誰か
□ 本人の判断能力を確認したか
□ 本人の売却意思を確認できるか
□ 成年後見制度を利用しているか
□ 後見人は誰か
□ 居住用不動産に該当する可能性があるか
□ 老人ホーム入居後に自宅へ戻る可能性はあるか
□ 売却する必要性を説明できるか
□ 適正価格を確認するため査定を取ったか
□ 残置物・荷物を確認したか
□ 相続問題が絡んでいないか
□ 売却後の資金計画を考えたか

一つでも分からない項目があれば、売却活動を始める前に整理しておくことをおすすめします。


足立区・葛飾区で成年後見と不動産売却を考えている方へ


不動産のみらいは、中古不動産売却を中心に売買経験1,000件以上。


ご相談の約70%が相続関連で、足立区・葛飾区を中心に、

・認知症
・成年後見
・相続
・実家売却
・空き家
・老人ホーム入居
・残置物
・住み替え
・借地権

など、事情のある不動産についてご相談を受けています。


成年後見制度そのものの法律手続きは、必要に応じて司法書士・弁護士など適切な専門家と連携します。


そして不動産のみらいでは、

「売却するか決めていない段階」

から相談できます。

査定をしたから売らなければならない、ということはありません。


まず、

「売れる可能性があるのか」

「いくらくらいなのか」

「どの手続きが必要なのか」

「売る以外の選択肢はあるのか」

を整理することが第一歩です。


FAQ|成年後見と不動産売却


Q1.認知症の親の家を子どもが売却できますか?

子どもというだけで親名義の不動産を自由に売却することはできません。本人の判断能力や成年後見制度の利用状況などを確認する必要があります。


Q2.成年後見人を付ければ必ず売れますか?

必ず売れるとは限りません。本人の利益や売却の必要性などが重要で、居住用不動産については家庭裁判所の許可が必要になる場合があります。


Q3.老人ホームに入った家でも許可が必要ですか?

施設入居後に空き家となっていても、本人の居住用不動産に該当し、家庭裁判所の許可が必要になるケースがあります。


Q4.後見人は子どもがなれますか?

親族が候補者になることはありますが、誰を成年後見人に選任するかは家庭裁判所が判断します。


Q5.成年後見制度を使わず家族信託で売却できますか?

家族信託は、原則として本人が契約内容を理解して契約できる段階で準備する必要があります。すでに判断能力が大きく低下している場合は利用が難しいことがあります。


Q6.まだ売却するか決めていなくても査定できますか?

可能です。むしろ成年後見が関係する可能性がある場合は、早めに不動産価格を把握し、今後の選択肢を整理しておくことが重要です。


まとめ|成年後見と不動産売却は「早めの整理」が重要


成年後見が関係する不動産売却で覚えておきたいポイントは5つです。

① 認知症という診断名だけで一律に売却できなくなるわけではない

② 本人の判断能力が重要

③ 家族だからといって本人名義の家を自由に売れるわけではない

④ 成年後見人等による居住用不動産の処分では家庭裁判所の許可が必要になる場合がある

⑤ 老人ホーム・介護費用・今後の生活まで含めて売却を考える


特に高齢の親御様が不動産を所有している場合、

「必要になってから考える」より「元気なうちから選択肢を知っておく」

ことが大切です。


不動産のみらいでは、足立区・葛飾区を中心に、認知症、成年後見、

相続、実家売却、空き家、老人ホーム入居に伴う不動産売却についてご相談いただけます。


無料査定だけでなく、

「この状態で売却できるのか分からない」

という段階からご相談ください。



※この記事は2026年時点の不動産市場や法制度をもとに、売買経験1,000件以上・相続相談約70%の実務経験を踏まえて作成しています。制度改正や市場動向により内容が変更となる場合がありますので、最新情報や個別の状況についてはお気軽にご相談ください。


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