2026-08-09

親や家族が亡くなり、家・土地・マンションを相続したとき、多くの方が最初につまずくのが「相続登記」です。
「実家を相続したけれど名義はそのままでいい?」
「相続した家を売りたいけれど、先に登記が必要?」
「兄弟で相続した場合は誰の名義にすればいい?」
「昔亡くなった親の家も相続登記しなければいけない?」
こうした疑問を持つ方は少なくありません。
結論からいうと、相続した不動産を売却するなら、相続登記は非常に重要な最初のステップです。
さらに2024年4月1日から相続登記は義務化されました。
不動産を相続したことを知った日など一定の起算点から原則3年以内に申請する必要があり、
正当な理由なく義務に違反すると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
不動産のみらいでは、売買経験1,000件以上、売却相談の約70%が相続関連です。
現場では「売ろうと思って査定を頼んで初めて、亡くなった親名義のままだと分かった」というケースも珍しくありません。
この記事では、相続不動産売却クラスタの中でも特に重要な「相続登記」について、
2026年時点の制度を踏まえながら、売却実務の視点から分かりやすく解説します。
相続登記とは、土地や建物の所有者が亡くなったときに、
不動産の登記名義を亡くなった方から相続人へ変更する手続きです。
例えば、
父親名義の実家
↓
父親が死亡
↓
長男が相続
↓
登記名義を父親から長男へ変更
この手続きが相続登記です。
預貯金でいえば口座の相続手続きに近い役割ですが、不動産では法務局で所有権移転登記を行います。
ここは2026年現在、特に重要です。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。
相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、
原則として「自己のために相続が開始したこと」
と「その不動産の所有権を取得したこと」
を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく申請義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
さらに重要なのは、
2024年4月1日より前に発生した相続も対象
ということです。
「父が亡くなったのは10年以上前だから関係ない」
とは限りません。
義務化前の相続で、施行前から相続による取得を知っていた不動産については、
原則として2027年3月31日までが一つの重要な期限になります。
昔の相続をそのままにしている方は、早めに確認しておきましょう。
大きな理由の一つが「所有者不明土地」の問題です。
相続が発生しても登記名義が変更されないまま、
父
↓
子
↓
孫
↓
ひ孫
と相続が重なると、実際の所有者を把握することが難しくなります。
相続人が10人、20人と増えてしまうケースもあります。
そうなると、
・売却したい
・建物を解体したい
・土地を活用したい
と考えても、相続関係の整理だけで大きな時間と費用がかかる可能性があります。
だからこそ、相続が発生した段階で名義を整理しておくことが重要なのです。
亡くなった方の名義のまま、通常の不動産売買を最後まで完了させることはできません。
売却する場合には、最終的に相続人へ所有権を移す相続登記が必要になります。
例えば、
父親名義
↓
父親死亡
↓
長男が相続
↓
長男が買主へ売却
なら、
父親 → 長男 → 買主
という所有権の流れを登記上でも整える必要があります。
そのため「相続した実家を売ろう」と考えたら、査定と並行して登記状況を確認するのがおすすめです。
2024年の義務化に伴って「相続人申告登記」という制度も設けられました。
これは、遺産分割がまとまらないなどの事情で期限内に通常の相続登記が難しい場合に、
一定の申出をすることで相続登記の申請義務を簡易に履行できる制度です。
ただし非常に重要な注意点があります。
相続人申告登記をしただけでは、その不動産を売却できません。
相続人申告登記は所有権を誰が取得したのかを公示する通常の相続登記とは性質が異なるため、
売却するときには別途、相続登記が必要になります。
| 比較 | 相続登記 | 相続人申告登記 |
|---|---|---|
| 所有権を相続人へ登記 | ○ | × |
| 義務への対応 | ○ | ○ |
| 売却につなげられる | ○ | そのままでは不可 |
| 遺産分割未成立でも利用 | ケースによる | ○ |
| 主な目的 | 権利関係の確定 | 義務を簡易に履行 |
「とりあえず相続人申告登記をしたから売れる」という理解は避けましょう。
2026年2月2日から、相続実務で非常に便利な新制度が始まりました。
所有不動産記録証明制度です。
これまで、不動産の登記記録は土地・建物ごとに管理されていたため、
「亡くなった父がどこに土地を持っているのか分からない」
「実家以外にも不動産があるかもしれない」
という場合、相続財産の把握が難しいことがありました。
新制度では、一定の要件のもと、登記官が特定の人が登記名義人として記録されている不動産を検索し、
一覧的に証明します。
相続不動産の登記漏れ防止にも役立つ重要な制度です。
2026年以降に相続手続きを行う方は、覚えておきたい制度の一つです。
相続の内容によって変わります。
代表的なのは、
遺言の内容を確認して手続きを進めます。
相続人全員で話し合い、
「この不動産は長男が相続する」
などと決めます。
法定相続分に基づいて登記する方法です。
ただし、不動産を売却する予定なら、安易に複数人の共有名義にする前に売却後の流れまで考えることが大切です。
ここは実務で非常に多い相談です。
例えば、
父親死亡
↓
兄・弟の2人が相続
↓
どちらも実家には住まない
↓
売却予定
というケース。
選択肢として、
①兄弟2人の共有名義にする
方法だけでなく、遺産分割の内容によっては、
②一人が不動産を相続し、売却後の代金を分配する
などを検討する場合もあります。
ただし、遺産分割・税務・売却代金の分配方法によって法的
・税務的な扱いが変わる可能性があります。
「どうせ売るから、とりあえず共有名義」という決め方はおすすめできません。
司法書士・税理士等の専門家へ確認しながら、売却後まで逆算して名義を決めることが重要です。
一般的には次のように進みます。
①不動産を確認する
土地・建物・マンションなど、被相続人が所有していた不動産を確認します。
↓
②相続人を確認する
戸籍等を収集し、法定相続人を確認します。
↓
③遺言書を確認する
遺言書の有無・内容を確認します。
↓
④遺産分割を行う
必要な場合は相続人全員で協議します。
↓
⑤必要書類を準備する
戸籍、住民票、固定資産評価証明書など、ケースに応じて準備します。
↓
⑥法務局へ申請
不動産所在地を管轄する法務局へ登記申請します。
↓
⑦登記完了
登記完了後、登記内容を確認します。
↓
⑧売却へ
査定・販売活動・売買契約へ進みます。
相続方法によって異なりますが、一般的には、
・被相続人の戸籍関係書類
・被相続人の住民票除票または戸籍の附票
・相続人の戸籍
・不動産を取得する相続人の住民票
・遺産分割協議書
・相続人の印鑑証明書
・固定資産評価証明書等
・遺言書(ある場合)
などが関係します。
必要書類は相続の内容によって変わるため、「この一覧だけそろえれば必ず登記できる」という意味ではありません。
大きく分けると、
①登録免許税
②書類取得費
③司法書士へ依頼する場合の報酬
などがあります。
相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として不動産価額に対して0.4%です。
例えば課税の基礎となる不動産価額が2,000万円なら、
2,000万円 × 0.4% = 8万円
が一つの計算イメージです。
ただし、一定の土地については2027年3月31日まで登録免許税の免税措置が設けられているケースがあります。
実際の費用は不動産や相続内容によって異なるため、個別確認が必要です。
相続登記は自分で申請することも可能です。
| 自分で申請 | 司法書士へ依頼 |
| 報酬を抑えられる | 手間を減らしやすい |
| 書類収集が必要 | 複雑な相続にも対応しやすい |
| 法務局とのやり取りが必要 | 専門家に確認できる |
| 単純な相続向き | 共有・数次相続などに向く |
例えば、
「相続人が配偶者と子だけ」
「遺産分割がまとまっている」
「不動産も一つ」
など比較的単純なら、ご自身で検討する余地があります。
一方、
・相続人が多い
・何代も登記していない
・兄弟間で協議が必要
・遺言書がある
・不動産が複数ある
・売却期限が決まっている
といった場合は、専門家へ相談するメリットが大きくなります。
売却予定なら、登記が終わるまで査定を待つ必要はありません。
ここは不動産売却の実務上、とても重要です。
例えば、
親が死亡
↓
実家を相続
↓
相続登記
↓
登記完了
↓
初めて査定
と順番に一つずつ行う必要はありません。
状況を確認したうえで、
相続手続きと売却準備を並行して進める
ことで時間を短縮できる場合があります。
不動産会社には、
「まだ相続登記が終わっていません」
と最初に伝えてください。
査定によって現在の市場価値が分かれば、
売る
・
残す
・
貸す
という遺産分割の判断材料にもなります。
最も厄介な問題です。
相続人の一人が亡くなると、その人の相続人へ権利が引き継がれ、関係者が増えていくことがあります。
買主が見つかってから相続関係を整理しようとしても、時間がかかる場合があります。
古い相続ほど戸籍収集などの負担が大きくなる傾向があります。
当初は話し合えていた兄弟でも、年月が経つと相続人が代替わりし、疎遠な親族との協議が必要になる場合があります。
現在は相続登記そのものが義務化されています。
昔の「急がなくてもいい」という認識のまま放置しないことが重要です。
売買経験1,000件以上、相続相談約70%の現場では、
「相続登記が終わっていないのですが、売却相談できますか?」
という質問を非常によくいただきます。
答えは、
はい。相談・査定の段階から進められます。
むしろ売却予定があるなら、登記・遺産分割・査定・残置物・測量などを別々に考えるより、最初に全体の工程を整理した方が進めやすいケースがあります。
足立区で、親御様から戸建てを相続されたご兄弟から相談をいただいたケースです。
兄弟それぞれにご家族と持ち家があり、相続した実家には誰も住まないため空き家になる予定でした。
そこで、
「相続手続きをどうするか」
だけではなく、
「最終的にどう売却するか」
まで含めて整理。
相続関係・登記状況を確認しながら売却査定を進め、販売戦略をご説明しました。
結果として当社の過去の売却実績や販売方法をご評価いただき、専任媒介で売却をお任せいただきました。
登記だけをゴールにしなかったことです。
最終目的は「相続した空き家を整理し、納得できる条件で売却すること」。
だからこそ、相続発生から売却完了までを逆算することが重要でした。
逆に注意したいのが、
「今すぐ売らないから名義はそのままでいい」
と考えてしまうケースです。
年月が経過して別の相続が発生すると、関係者が増えて手続きが複雑になる可能性があります。
さらに空き家の場合、
・建物劣化
・庭木や雑草
・残置物
・近隣への影響
・固定資産税等の維持負担
も並行して発生します。
相続登記の問題と空き家の問題は、別々ではなく同時に進行することがあります。
□ 不動産の登記名義人を確認した
□ 遺言書の有無を確認した
□ 法定相続人を確認した
□ 相続人全員で不動産について話し合った
□ 売却・保有・賃貸の方向性を検討した
□ 不動産の査定価格を把握した
□ 相続登記の期限を確認した
□ 空き家になる場合の管理方法を決めた
□ 残置物を確認した
□ 相続税・譲渡所得税など税務面を確認した
一つでも分からない項目があれば、早めに整理しておくことをおすすめします。
相続登記は非常に重要ですが、相続不動産売却の一工程です。
売却するなら、
相続登記 → 査定 → 販売 → 契約 → 引渡し → 必要に応じて確定申告
まで考える必要があります。
相続不動産では、
「4,000万円で売れます」
という査定額だけを見るのではなく、
なぜその価格なのか
誰にどう売るのか
売れなかった場合どうするのか
まで確認してください。
相続登記を終えた後に販売戦略で失敗してしまっては意味がありません。
相続登記そのものが売却価格を上げるわけではありません。
高く売るために重要なのは、
・適正な市場分析
・近隣成約事例の確認
・物件特性に合った販売戦略
・適切な売出価格
・購入ターゲットの設定
・空き家管理
・土地なら境界や測量の確認
・建物なら状態の確認
です。
相続登記と同時に売却準備を進めることで、登記完了後にすぐ販売へ移れる可能性があります。
足立区・葛飾区では同じ区内でも、
綾瀬、北千住、西新井、竹ノ塚、亀有、金町、新小岩など、
駅距離、土地面積、接道、用途地域、築年数などによって市場性が大きく異なります。
相続不動産では、
「相続手続きに詳しい」
だけでなく、
その地域で、その不動産をどう売るか
まで考えることが重要です。
不動産のみらいでは、中古不動産売却を中心に、相続・空き家・住み替えなどの相談を数多く取り扱っています。
原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日など法定の起算点から3年以内です。2024年4月1日以前の相続も義務化の対象となるため注意してください。
はい。義務化前に発生した相続も対象です。施行前から取得を知っていた場合は、原則2027年3月31日までが重要な期限です。
正確には刑事罰の「罰金」ではなく、正当な理由なく申請義務に違反した場合、10万円以下の「過料」の対象となる可能性があります。
はい。査定・売却相談は可能です。売却予定なら相続手続きと並行して価格を把握しておく方法もあります。
それだけでは売却できません。売却には別途、相続登記が必要です。
可能ですが、共有不動産全体を売却するには原則として共有者全員の合意が必要です。相続登記前なら名義の決め方から慎重に検討しましょう。
可能です。ただし、相続人が多い、数次相続、遺産分割、複数不動産など複雑なケースでは司法書士への相談を検討してください。
2026年2月2日から「所有不動産記録証明制度」が開始されています。一定の条件のもと、被相続人名義の不動産を一覧的に把握するために利用できます。
売買経験1,000件以上の実務から特にお伝えしたいのは、
相続登記と不動産売却を完全に別々の問題として考えないこと
です。
「司法書士に登記を頼む」
↓
「終わってから不動産会社を探す」
でも手続きはできます。
しかし売却予定なら、
「誰が相続するのか」
「売却価格はいくらくらいか」
「共有にする必要があるのか」
「残置物をどうするか」
「土地なら測量が必要か」
などを早い段階から整理することで、無駄な時間や手戻りを減らせる可能性があります。
相続の出口が売却なら、出口から逆算して相続手続きを考える。
これが相続不動産売却で非常に重要な考え方です。
相続登記は、単なる名義変更ではありません。
2024年4月から義務化され、現在は原則3年以内という期限があります。
そして2026年には所有不動産記録証明制度も始まり、相続不動産を把握するための仕組みも整備されています。
相続した家・土地・マンションについて、
売る
住む
貸す
残す
どれを選ぶとしても、まず所有関係を正しく整理することが重要です。
特に売却予定なら、
相続人確認 → 遺産分割 → 相続登記 → 売却
だけを一本道として考えるのではなく、査定や売却準備を並行して進めることも検討しましょう。
不動産のみらいでは、売買経験1,000件以上、相続相談約70%の実務経験をもとに、
足立区・葛飾区を中心として、相続した戸建て・土地・マンション・空き家などの売却相談に対応しています。
「まだ相続登記をしていない」
「兄弟でどう分けるか決まっていない」
「売るか残すか迷っている」
という段階でも、まず不動産の市場価値を把握することで判断しやすくなる場合があります。
登記そのものの専門判断は司法書士、税務判断は税理士など適切な専門家と連携しながら、売却については不動産会社へ早めに相談することが、相続不動産をスムーズに整理する第一歩です。
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