「就活」という言葉の浸透に伴って、生前に不動産売却で財産を手放す方が近年は増
えてきているようです。
その中でも土地や建物などは贈与するか悩む方も多いでしょう。
ただ、よかれと思いやったことでも、相手には贈与税の負担が重くのしかかるかもしれません。
そこで今回は、「不動産のみらい」が、葛飾区・足立区を中心に、城東エリアの方に、不動産売却における贈与税とはなにか、贈与税がかかるケースや軽減方法を解説します。生前贈与などをお考えの方はこの記事を参考にしてみてくださいね。
【不動産売却における贈与税とは⁉】
・不動産売却で財産を贈与された側が払う税金
*贈与税とは→身内などに土地や建物などの財産を無償で譲ること
(対価を求めないことが条件)
「あげます」『もらいます』というお互いの同意があれば贈与は成立します。
不動産売却で財産を贈与する方を贈与者、もらう側を受贈者と呼びます。
・譲渡との違いは?
*譲渡とは→対価が発生する不動産売却のこと。
(買主様が売主様側に金銭を支払う)
・贈与税の計算方法
贈与税=(受け取った財産の金額-基礎控除額)×税率-控除額
*税率と控除額は贈与者と受贈者の関係性で変わる。
贈与税は基礎控除が設けられてます。
1年間に受け取った財産の金額から110万円差し引くことが可能。
一般贈与(親子など特別な関係ではない、一般の贈与)の税率と控除額は以下の通りです。
- 300万円以下:税率15%・控除額10万円
- 400万円以下:税率20%・控除額25万円
- 600万円以下:税率30%・控除額65万円
親族間での贈与(特例贈与財産)の場合、税率と控除額は下記のとおりです。
- 400万円以下:税率15%・控除額10万円
- 600万円以下:税率20%・控除額30万円
- 1,000万円以下:税率30%・控除額90万円
一般贈与に比べて親族間の贈与の方が控除額が高いことが分かります。
また、上記は基礎控除額を差し引いたあとの金額です。
【贈与税がかかるパターン】
1.親族間取引
課税されるケースとして、親族間取引が挙げられます。
親族間取引とは、親子や兄弟など親族同士で不動産売却することです。
たとえば、親が子どもに土地を譲りたい場合、贈与すると子どもは価値に応じた贈与税を支払います。
本来の土地の価格より安値で売却して、税金の負担を回避しようとすることがありますが、本来2,000万円する土地を500万円で売却した場合、差額の1,500万円に対して贈与税がかかるので注意が必要です。
親族間取引であっても相場価格で不動産売却していれば、このような事態は避けられます。
ちなみに相場より安いか否かは、税務署が判断します。
そのため、どのくらい値引きすると課税対象となるのかは把握できませんし、親族間取引は贈与者と受贈者が密接な関係であるため、個人間の取引に比べて課税される可能性が高いといえます。
2.法人間取引
法人間取引で不動産売却する場合も、贈与税がかかります。
先述した親族間取引と同様、相場とかけ離れた金額で取引すると、差額に対して贈与税が課税されるため、法人間取引でも適正価格で不動産売却することが大切です。
ちなみに、法人の場合は法人税が課税されます。
法人間取引においては、税務署からのチェックも厳しいので注意しなければなりません。
注意点したいのが、取引がお得にできたとしても、あとから贈与税の負担があることを押さえておきましょう。
【贈与税を軽減する方法】
1.適正価格での取引
贈与税を軽減する方法は、適正価格で取引することです。
先述したとおり、相場とかけ離れた金額で不動産売却すると、その差額に対して贈与税がかかります。
税務署では、贈与税の支払いを逃れるための取引がないか、常にチェックしているため、はじめからから適正価格で不動産売却し、資産価値に応じた贈与税を支払うことが大切です。
2.毎年110万円ずつ贈与する
贈与税を軽減する方法として、毎年110万円ずつ贈与することも挙げられます。
年間110万円、基礎控除額として受け取った財産の金額から差し引くことができるので、1年間の贈与を110万円以下にすれば非課税となります。
ただ、不動産売却では取引金額が大きくなるため、110万円に納めるのは難しいでしょう。
毎年少しずつ生前贈与したり、売却して現金化し、年間110万円ずつ渡したりすれば贈与税を軽減できると思います。
1,000万円の不動産の場合、10年かけて1,000万円の現金を渡し、10年後に1,000万円の売買契約を締結して完了。
ただこの方法は、定額贈与と判断されないよう注意しなければなりません。
毎年同額を贈与すると定額贈与と見なされ、贈与税が課税される恐れがあります。
定額贈与と判断されないための工夫は、
- 贈与契約書をその都度作成する
- 贈与の金額を毎年変更する
- 贈与のタイミングを毎年変更する
計画的な贈与により効率良く贈与税を軽減できますが、上記のような対策が必要になるため対策を怠らないように注意しましょう。
3.相続時精算課税制度を利用
相続時精算課税制度の利用も、贈与税を軽減するための対策のひとつです。
*相続時精算課税制度とは→特定の贈与者とのあいだで2,500万円が控除される制度
贈与者が亡くなり相続が発生した場合、生前贈与された財産と、そのほかの相続財産を合計した金額を計算し、その価額を基に計算した相続税額から、すでに支払った贈与税額を精算するのが特徴です。
相続時に課税される仕組みなので、税金の支払いがなくなるわけではないことを押さえておきましょう。
また、相続時精算課税制度を利用するには、贈与者が60歳以上の父母や祖父母であること、受贈者が20歳以上の子どもや孫であることなどの適用条件があります。
【まとめ】
不動産を贈与した場合、受け取った側に贈与税が課せられるため、慎重な判断が求められます。
課税されるケースや軽減方法についても、あらかじめ理解を深めておくと安心です。
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